“Upgrade Your Taste”をコンセプトに、様々なSNSプラットフォームで高品質なコンテンツを配信している”TASTEMADE(テイストメイド)”。Tastemade Japanでは、YouTubeチャンネル分析やタイアップ施策提案の際に『kamui tracker』を活用しています。
同社コンテンツ制作・配信部(以下、SNSチーム)の齊藤 晴香氏、セールス&パートナーシップ局(以下、セールスチーム)の栁瀬 敦氏、藤澤 彩氏にお取り組みの背景や業務における『kamui tracker』活用についてお話を伺いました。
ロサンゼルス発のライフスタイル動画メディア「TASTEMADE」
ーー 貴社事業についてお聞かせください。
栁瀬:Tastemade Japan株式会社(以下、テイストメイド)は、食や旅を中心とした動画の制作・配信事業を展開しています。元々はハリウッドで映像ビジネスを手がけていたクリエイターたちが、テレビ離れが進む若年層に動画を届けることを目的に事業がスタートしました。動画は主にSNSやコネクテッドテレビなど、あらゆるデジタルプラフォームに配信され、今では世界10カ国でアカウントを持ち、月間視聴者数は3億人にも上ります。
動画配信のビジネスモデルは主に広告収入で成り立っています。SNSプラットフォームからの広告収入と、クライアントさんへご提案するタイアップ施策の広告収入に分かれています。
ーー テイストメイドでは、YouTubeはどのような媒体と位置づけているのでしょうか。
齊藤:TwitterやTikTokといった他のSNSと比べても圧倒的に視聴者数が多く、また「テレビ離れ」という言葉もあるように、テレビを見なくなった若い世代の視聴者層の割合が高いことも特徴です。こうした若年層こそ、テイストメイドがメインターゲットとしている層であるため、YouTubeの視聴者分析や動画改善には特に力を注いでいます。
ーー YouTubeの動画配信で最も注力されている施策を教えてください。
齊藤:私たちはサムネイル施策に最もこだわっています。弊社では1本の元動画をプラットフォームに最適化させるため、動画サイズやタイトルなどを細かく変えて配信しています。そのなかでも、YouTubeではサムネイルが視聴回数に最も影響していると考えています。
他社YouTubeチャンネルの分析の幅と精度と工数に課題感課題感
ーー 『kamui tracker』の導入以前は、どのような課題があったのでしょうか。
齊藤:SNSチームの課題では、他社チャンネルの分析ができていないという課題がありました。自社チャンネルであれば、YouTube Studio内で分析ができますが、他社チャンネルの場合はチャンネル上に表示されている数字以上のことは分かりません。『kamui tracker』の導入以前は、分析したいチャンネルの動画を人気順に並び替え、目視でひとつひとつ確認していました。
このように目視で分析したとしても、対象にできるチャンネルは自分が知っている範囲のみとなってしまい、幅は狭くなってしまいます。YouTube上のキーワード検索を使ってもすべてのチャンネルが出てくるわけではないので、本当に分析したかったチャンネルが漏れてしまうこともあります。
その結果、分析時間がとても掛かってしまったり、そもそも分析の精度が高くなかったことに課題を感じ、YouTubeの分析ツールの導入を検討しました。
ーー 営業チームには、どのような課題があったのでしょうか。
藤澤:営業チームでは、ご提案予定のクライアントさんがこれまでどのようなタイアップ施策に出稿してきたのかどうかを知りたかったのです。また、そのクライアントさんの業界では、競合他社がどの程度タイアップ予算を掛けているか、どういったYouTuberと組んでいるかも重要な情報でした。
栁瀬:ご提案するクライアントさんを見つける方法にも課題がありました。自分たちから積極的にYouTubeを活用しているクライアントさんにアプローチしておらず、ご相談いただいた案件に対して、YouTube施策をご提案していたのです。
『kamui tracker』ならYouTube上の詳細な数字や市況も確認できる
ーー 『kamui tracker』をお知りになったきっかけをお聞かせください。
栁瀬:SNSチームと営業チームで分析ツールの導入を検討してあり、そこで検索やヒアリングを進めるなかで『kamui tracker』に出会いました。
ーー 『kamui tracker』の導入を決定された理由をお聞かせください。
齊藤:私たちがツールを選ぶにあたって、YouTubeに関する情報はまんべんなく調べることができる点を重視していました。テイストメイドではさまざまなデジタルプラットフォームで動画を配信しているため、プラットフォームごとに分析ツールはなるべく1つに集約したかったのです。
また、YouTubeは今後より注力していきたいプラットフォームですので、細かい数字まで分析できることは重要でした。海外のYouTube分析ツールですと、日本のチャンネルには特化しきれていないため、サムネイルや動画内容まで細かく分析することはできなかったのです。
栁瀬:営業チームでは企業別のタイアップ検索機能が決め手になりました。それだけでなく、開発スピードも導入要素の1つです。導入検討時に、私たちの要望に対して真摯に向き合っていただき、今後の機能改善も期待できそうと判断しました。
ーー ツール導入時の社内合意はどのように進めましたか。
栁瀬:アメリカの本社でもYouTube向けに長尺コンテンツの配信に注力していくという方針があり、また組織体制の変更も後押しとなりまして、現場裁量で『kamui tracker』の導入を決定しました。2021年の2月より導入しております。
「バズっている」動画がひと目で分かる「視聴評価機能」
ーー SNSチームでの活用状況についてお聞かせください。
齊藤:私のチームでは週に1回、週次レポートを作成しています。その際に、競合チャンネルの検索と分析に活用させていただいております。また、制作チームと一緒に分析結果を共有する会議を開いています。
新しいコンテンツを制作する際には、事前の市場分析にも使用していますが、一番特徴的な活用方法が「サムネイル分析」です。
具体的には、チャンネル検索機能でテイストメイドに関連しそうなカテゴリ(料理、旅行)に絞って、急上昇ランキングを表示します。ランキング一覧を見てみると、いくつかサムネイルに共通点が見えてきますので、私たちなりにシートにまとめて分析しています。
ーー 特に評価している機能を教えてください。
齊藤:一番よく使用している機能が「視聴評価機能」ですね。「視聴評価」とは『kamui tracker』が算出したそのチャンネルの動画1本あたりの推定視聴回数からどれだけ上回ったかを評価する指標のことです。つまり「バズった」かどうかということです。
この「視聴評価機能」を使えばYouTubeチャンネルごと、動画キーワードごとにどんな動画が「バズった」かがわかるので、自社の動画の企画づくりに活かすことができます。
バズった動画はサムネイルを工夫していることが多く、「視聴評価機能」を活用して伸びた動画のサムネイルのトレンドを研究しています。
ーー セールスチームの活用状況を教えてください。
藤澤:大きく2つです。1つ目は、月に1回の営業会議でタイアップ施策のトレンド分析やカテゴリ別に企業分析を行っています。その際に『kamui tracker』の月次レポートの数字を使用しています。自社での分析時間も短縮できますし、注目ニュースやトレンドワードもきれいにまとめてくださっているのも嬉しいですね。
2つ目は、提案の場で『kamui tracker』を開き、競合他社の動向やおおよその出稿量を想定できるので、分析資料の参考にしています。「競合はこういったクリエイティブを作成しています」「競合は動画をこの期間に○本作って○回再生達成しています」などと、データを元に提案するようにしています。
視聴回数が2.8倍に!サムネイルクリック率も13%向上
ーー 『kamui tracker』導入後、どのような成果があったのでしょうか。
齊藤:まず、チャンネルのグロースを示す指標として、ある動画の視聴回数が2.8倍になりました。動画のインプレッションに対するクリック率も13%増えたため、サムネイル改善の効果が見られたと思います。視聴回数が安定しなかった頃もありましたが、『kamui tracker』導入後は視聴回数が下がった背景を分析することができるようになったことで、現在は安定して数字を獲得できるようになりました。
また、『kamui tracker』のランキング機能で、私たちが今まで知らなかったチャンネルにも簡単に出会えるようになりました。そして、そのチャンネルがどのような動画を配信し、どのようにチャンネルを伸ばしているのか、俯瞰的な目線で検証することができています。
ーー 動画制作フローに変化はありましたか。
齊藤:YouTubeにおけるサムネイルの重要性を理解し始めたのが、『kamui tracker』導入後のことです。
以前の動画制作では、動画内容を考えてから撮影し、サムネイルを作る、という流れでした。しかし『kamui tracker』導入後は、YouTubeに特化したサムネイルを考案することから動画を制作するケースが増えています。
ーー セールスチームではどのような成果がありましたか。
藤澤:提案内容をより聞いてもらいやすくなったと実感しています。こちらからYouTubeの情報を提供することで、提案の場で信頼関係を構築しやすくなりました。また、情報収集の効率があがったことで、提案資料作成の時間は半分ほどまで短縮されたと思います。
手探りなYouTube分析からの脱却に『kamui tracker』を活用
ーー 今後の展望についてお聞かせください。
齊藤:YouTubeでの動画配信には、会社としても力を入れています。新しいテレビ番組を作っていくようなイメージなのですが、その際にもサムネイル分析は強化していきたいですね。また、最近ではSNSチームだけでなく、動画制作チームでも『kamui tracker』を利用し始めました。分析と制作が同じ数字を見て目線を合わせていくことも、今後重要なことだと思っています。
藤澤:セールスチームでは、今後もクライアントコミュニケーションに活用していきたいです。もう少し自社のお客様に対するフィードバックや、次の提案につながるような成果の魅せ方の工夫をしていきたいです。
ーー YouTubeの運用担当の方に対してアドバイスをいただけますか。
齊藤:企業にとってのYouTubeはただ楽しく動画を作って終わりではなく、数字分析をしてしっかり改善していくことこそが重要だと思っています。正直なところ、『kamui tracker』を使う前は手探り状態でして、本当にこの分析で良いのだろうかと悩みながら進めてきました。
『kamui tracker』は、そうした分析の悩みを解決してくれる便利なツールだと思うので、大いに活用してみてはいかがでしょうか。
ーー ありがとうございました。
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