「おもしろくあれ!」という企業理念を掲げ、大手企業のインフルエンサープロモーションを成功に導いてきた株式会社GOODROID。大手代理店やインフルエンサー事務所でもアサインが難しいクリエイターのキャスティングを実現させる企画力を強みに、クライアントとクリエイター双方から絶大な信頼を得てきた同社では、業務のさまざまなシーンで『kamui tracker(カムイトラッカー)』を活用しています。
『kamui tracker』を駆使してデータを活かした企画提案を推進してきた同社インフルエンサー事業部の事業部長である林 航平 氏に、インフルエンサータイアップを成功させる秘訣と『kamui tracker』活用の事例について、お話を伺いました。
大手代理店やDeNAなど大手クライアントから信頼を得るGOODROID
―― 貴社事業とご担当されているお仕事をお聞かせください。
林:当社は株式会社サイバーエージェントの子会社でして、ゲームアプリ開発事業やインフルエンサー事業を手掛けています。
アプリ開発事業でインフルエンサーとご一緒させて頂く機会が多かったことから、3年ほど前からインフルエンサー事業として、タイアップ広告の代理店事業「AddTube」をスタートしました。
私はインフルエンサー事業部の事業部長として、チームメンバーの目標設定や案件管理といったマネジメント業務を行いつつ、新規クライアント様へのご提案や既存クライアント様とのコミュニケーションなどを行なっています。
―― 貴社インフルエンサー事業の強みについて教えてください。
林:当社はインフルエンサー特化の総合代理店です。アプリ開発事業で、様々なインフルエンサーとご一緒させて頂いてきた実績から、「どのような動画を上げればアプリがインストールされやすいのか」、そして「どのような企画だとクリエイターが動画を作りやすいのか」、クライアントとインフルエンサー両方の視点をもって、動画を企画・ディレクションできる点が当社の強みとなっています。
印象的なお取り組みの1つとして、DeNA様でのインフルエンサープロモーションが挙げられます。先方もインフルエンサーとの仕事の流儀を熟知していますし、『kamui tracker』も導入されているので、同じ視点を持ってコミュニケーションを行えています。プロモーションを重ねるたびに熟練された施策になっていく手応えを感じますし、しっかりと成果もあげることができ、その結果として継続的にお取り組みをさせていただいております。
<DeNA社事例インタビュー記事はこちらから>
https://kamuitracker-dev.reglos.net/casestudy/dena
最近ではゲームアプリ領域だけでなく、美容系のクライアント様や、玩具系のクライアント様などともお取り組みさせていただく事例も増えてきております。また、いわゆるナショナルクライアントと呼ばれる大型のお客様とのお取り組みも増えてきておりまして、案件の規模も年々大きくなってきています。この背景には、YouTubeやInstagramやTikTokといったメディアが一般的なサービスとして根付いたことで、各メディアがマーケティングの土壌として成熟してきたことが挙げられると思います。実際に多くのクライアント様とお話をしていて、「インフルエンサーマーケティングの良さ」に気づいたと仰っていただけることも増えてきました。
タイアップ施策を成功させる「秘訣」とは?
―― 「インフルエンサーマーケティングの良さ」についてどのように捉えていますか?
林:従来の広告と異なり、ターゲットが能動的、かつ好意的に見る広告であることが、「インフルエンサーマーケティングの良さ」だと思います。
例えば、テレビCMやリスティング広告はユーザーが意図せず、受動的に見せられる広告です。その一方でインフルエンサーマーケティング、特にYouTubeのタイアップ広告は、そのクリエイターに好意がある人が視聴しにきているので、広告自体にも興味をもってもらえる可能性が高いです。それがたとえタイアップの広告動画であっても、企画自体が面白ければ最後まで視聴されます。
また、シンプルに数十秒のテレビCMよりも10分の動画のほうが商材をしっかり紹介できますし、概要欄に商材のURLなどを記載することで、直接的にコンバージョンを促すことができます。
――インフルエンサーとのタイアップ施策を成功させてきた秘訣を教えてください。
林:クライアントファーストでありつつ、クリエイターファーストでもあるというバランスはかなり意識してきました。
どうしても、インフルエンサー事務所はクリエイターファーストの企画に偏りがちですし、広告代理店はクライアントファーストの企画に偏りがちな印象があります。クリエイター側は自分らしい企画をやりたいですし、クライアント側は当然、広告の成果をしっかり上げたいという本音があります。この部分のバランスを取るのが非常に難しいことがインフルエンサーマーケティングの特徴なのですが、ここが成功を収めるための重要なキーポイントでもあるのです。
その中で、私たちのようなインフルエンサーを熟知した代理店が、クライアント様の成果最大化を考慮した上で、かつ、それぞれのクリエイター“らしい”動画企画を立案させていただくことが、当社の介在価値だと考えています。その過程で、『kamui tracker』の最新のデータを参照のうえ、企画の立案を行っているのですが、データの精度も非常に高いのでクライアント様の満足度も高く、お褒めの言葉を頂くこともありました。
―― YouTuberタイアップで工夫されていることを教えてください。
林:クリエイターに対して広告案件として依頼しただけでは、実施をお断りされることが多いのがYouTubeタイアップの実状で、特にトップクラスのクリエイターに広告案件を実施してもらうのは至難の業なのです。そこで、当社ではクリエイターに広告案件の依頼をする際は、必ず動画企画とセットでご提案をしています。場合によっては、そのクリエイターに「やりたいな」と思ってもらえるような企画を数十個も練ったうえで、広告案件をご提案することもあります。
広告案件として、単に横流しして提案をするのではなく、「そのクリエイターだからこそ、商材の魅力を一番引き出せる動画企画ができるんだ」と自信を持って提案できるよう企画には一番力を入れています。こういった積み重ねで、クリエイターや事務所との信頼関係を築きながら、よりおもしろい広告案件を一緒に実施できるよう試行錯誤しています。
―― 良い「動画企画」を作るコツはありますか。
林:シンプルにYouTube動画をたくさん見ることです。私の場合は、普段でも1日7時間ぐらいはYouTubeを視聴しています。これは私だけではなく、チームメンバーにも「大事な仕事」としてやってもらっています。毎日のチームの朝会では各メンバーが面白いと思ったYouTubeチャンネルや企画を共有し合うこともしています。新参のクリエイターや面白い企画を見つけたら、「どういう広告案件が実施できそうか」イメージを膨らませて、みんなで議論しています。
―― 他にタイアップ広告を成功させる秘訣はありますか。
林:精度の高いクリエイターリストを作成することです。
クリエイターリストとは、クライアントが発注の際に参考にできる各YouTubeチャンネルの情報をまとめたリストなのですが、一般的にはチャンネル登録者数、クリエイター名、チャンネルURL、平均再生回数、発注金額あたりの情報くらいしか記載されていません。しかし当社の場合、平均エンゲージメント数(高評価数+コメント数の平均)や視聴者の男女比率・視聴年齢層のデータ、そのクリエイターを選ぶ理由、どういう企画がおすすめか、その参考動画、そしてCPV(1PVあたりにかかる費用)に至るまで細かく掲載しています。
クライアントがクリエイターリストを見た際に、どのクリエイターを選べば良いか判断がしやすくなりますし、納得感をもってタイアップ広告を実施することができるので、スムーズに進行できます。こうした精度の高いクリエイターリストの作成に『kamui tracker』を活用しています。
『kamui tracker』がなければリスト作成に5倍の時間がかかる
―― 『kamui tracker』を導入した背景をお聞かせください。
林:インフルエンサー広告の代理店事業を拡大させていくにあたり、YouTube上に表示される「チャンネル登録数」や「再生回数」のデータのみを元に、クライアント様にご提案するのでは、あまりにも心細く、継続的なビジネスとして成立させられない不安を感じていました。
そんな折、とある案件でご一緒したクライアント様がすでに『kamui tracker』を活用しておりまして、そこで利用シーンなどをご教示いただき「これはYouTubeマーケティングには必須!」と感じたため、導入を決めました。
―― 導入の決め手になったポイントをお聞かせください。
林:ゲームタイトルや商材で検索すると、過去に行われた案件動画やその際のデータが細かく閲覧できるので重宝しています。過去にYouTubeで「誰が」「どういう企画で」「何を」宣伝して、「成功したのか、失敗したのか」を確認できるので、類似の商材の広告案件の動画企画を考える際に非常に有効です。また、インフルエンサーマーケティングにおいては、「チャンネル登録数」よりも「エンゲージメント」や「平均視聴回数」の指標が重要なので、これが簡単に確認できる点も嬉しいポイントです。
―― 2年前に導入いただいたあと、他社サービスやツールとの比較は行われましたか。
林:特に行なっていません。私が把握している限りでは、今のところ、『kamui tracker』に代わるソリューションやツールはないと思います。
―― 『kamui tracker』の導入で定量的な効果はありましたか。
林:もしも『kamui tracker』を利用せずに同じクオリティのクリエイターリストを作成しようと思うと、おそらく5倍以上の時間はかかると思います。過去に実施された広告案件や、それらのデータをマンパワーで確認・集計しようと思うと、莫大な時間がかかってしまいます。『kamui tracker』を活用する事で、データ集計の時間を削減し、本来最も力を注ぐべきである「企画」に時間を使うことができる点は、本事業にとっては一番の定量的な効果です。
企画提案から振り返り、リスト作成、クリエイターとのコミュニケーションにまで活用
―― 『kamui tracker』の具体的な活用シーンをいくつか教えてください。
林:大きく分けて、クライアント、クリエイター、社内メンバーの3つのシーンで活用しています。
クライアントの場合は、提案から効果検証まですべてのシーンで活用しています。まず、打ち合わせの前には必ず、クライアントが過去に実施したタイアップ動画を全て確認し、過去の施策に満足しているか、もしも満足していなければそれはなぜなのかをヒアリングしています。実際のタイアップ企画提案時も、『kamui tracker』のデータを活用し、どのくらいの成果が見込めるのか想定を出しますし、実施後のフィードバックの際にも活用しています。
クリエイターとの活用シーンでは、そのクリエイターを理解し、適切にコミュニケーションするために使っています。「過去にどんな動画が人気だったのか」「直近の動画の反応はどうだったのか」といった情報はもちろん、クリエイター自身も知らないような平均エンゲージメントといった数字や競合チャンネルの最新情報なども話しています。
社内向けでは、前述のようにクリエイターリストの作成時に活用しています。新しいメンバーが入社して、最初に行なう仕事がクリエイターリストの作成であり、その際に『kamui tracker』を扱うことになります。最近ではクライアントの領域が広がったこともあり、新しいジャンルのクリエイターを探す際にも活用していますね。
クライアントとクリエイター双方に寄り添ったインフルエンサー施策を
―― 今後、インフルエンサーのタイアップ広告はどのように変化していくのでしょうか。
林:インフルエンサーのタイアップ広告に関しては今後も増えていくと思います。国内の企業だけで見ても、インフルエンサーのタイアップ広告を実施している企業自体がまだまだマイノリティであり、今後「一回試しに、インフルエンサータイアップ広告やってみよう」という企業がさらに増えてくるフェーズだと感じています。ただし、その企業が継続してインフルエンサーマーケティングを実施するに至るかは、やはり広告成果次第になってくると思うので、その成果を左右する「動画企画」や「クリエイターのキャスティング」を担う代理店や事務所の役割が大きくなってくるのではないかと考えています。
その中で当社はインフルエンサー特化の総合代理店として、YouTubeはもちろんですが、TikTokやInstagramの企画でも大手広告代理店に負けない独創的なインフルエンサー施策を提案できる代理店としてのポジションを目指していきたいです。
―― 最後に、インフルエンサーのタイアップ広告施策を検討されている企業にアドバイスをお願いします。
林:インフルエンサーとのタイアップ広告施策をお考えの企業様がおられましたら、ぜひ一度当社にお声がけくださいませ。これまでの実績や、ここには書けないインフルエンサーマーケティングの「あんなことや、こんなこと」もお話できると思います(笑)。
―― ありがとうございます。
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