YouTube広告の効果を最大化させる!クリエイティブと設定のコツ
YouTube広告を検討しているものの「どうしたらその費用対効果を最大化することができるのか?」と、悩まれている人は多いのではないでしょうか。
YouTube広告は健在層だけでなく、多くの潜在層の顧客にもリーチさせ、認知やCVを得ることができる動画広告です。ただ、無闇に幅広い視聴者層に広告をリーチさせたところで期待した効果を得ることは難しいです。YouTube広告の効果を最大化させるには、クリエイティブと設定に工夫が必要です。
今回の記事では、費用対効果を高くするためのYouTube広告の工夫のポイントについてご紹介します。
目次
- 主なYouTube広告の種類
1.1. Bumper広告
1.2. TrueViewインストリーム広告
1.3. TrueViewインフィード広告
1.4. TrueViewアウトストリーム広告 - YouTube広告におけるクリエイティブの重要性について
- 成果につながるYouTube広告クリエイティブのコツ
3.1. Google推奨のABCDフレームワーク
3.2. YouTuberを活用したクリエイティブで広告感を軽減
3.3. 比較検証してより良いクリエイティブを選ぶ - YouTube広告の適切な条件設定について
4.1. インストリーム広告|オーディエンスターゲティングで認知拡大
4.2. インフィード広告|コンテンツターゲティングでCVまで誘導 - まとめ|YouTube広告で成果を上げるにはクリエイティブと設定を工夫せよ
1. 主なYouTube広告の種類
YouTube広告とは基本的に、YouTube上に配信される運用広告を指し、大きくはTrueViewインストリームとTrueViewインフィードに大別されます。
さらに、広告の途中でスキップが可能か不可能かでも種類が分けられます。課金形態も変わるので、これらを組み合わせるとYouTube広告の主要な種類は4種類に分けられています。
1.1. Bumper広告
Bumper広告はスキップ不可の6秒動画広告のことを指します。課金体系はCPM課金で、表示回数に応じて課金される形になります。基本的には動画が1,000回表示されるごとに課金されていきます。
視聴単価が安価でリーチを最大化できるため認知拡大するには、おすすめの広告です。ただし、強制的に視聴させるものになるため、出稿頻度が多すぎるとイメージダウンにつながる可能性があるので、バランスに注意しましょう。
1.2. TrueViewインストリーム広告
TrueViewインストリーム広告は、動画視聴中に表示されるスキップできる広告です。課金体系はCPV課金で、30秒以上視聴される、もしくはクリックされたタイミングで課金されます。30秒未満の動画の場合はフル視聴されると課金されます。
メリットとしては、広告をあまりスキップしないユーザーに配信されやすいようにターゲティングされるので、視聴率が高めになることです。一方で最適化の仕様上、スキップをあまりしないユーザーに配信されるため、総リーチ数は少なくなります。
1.3. TrueViewインフィード広告
TrueViewインフィード広告は、YouTubeTOPページや関連、検索結果欄にサムネイル画像とテキストを表示させる形式の広告です。課金体系はCPV課金で、サムネイルをクリックし、視聴開始したタイミングで課金されます。
メリットは動画に関連した広告を出すことができるため、エンゲージメント率が高くなりやすいことです。ただし、動画視聴中や視聴前に強制的に出てくるわけではないため、視聴されない可能性もあります。
1.4. TrueViewアウトストリーム広告
TureViewアウトストリーム広告はYouTube以外のWebサイトやアプリ画面にのみ表示され、音声なしで自動再生される広告です。課金体系は、vCPM課金で、動画広告の視認範囲(広告の面積の50%以上が2秒以上表示されたら視認可能としてカウントされる)のインプレッション1,000回表示につき課金される形になります。
本広告はYouTube以外にもリーチを拡大できるところがメリットですが、YouTubeのプラットフォーム上に出てくる広告ではないため、YouTube広告という分類からは外れます。
YouTube広告の種類や効果についてもう少し詳しく知りたい方は「初心者向け!YouTube広告運用の基本徹底解説」の記事をご覧下さい。
2. YouTube広告におけるクリエイティブの重要性について
クリエイティブは広告キャンペーンにおける重要事項として注目され続けています。
下記を見てもわかるように、広告の各要素の中で売上に貢献する要素として「クリエイティブ」が47%と最も割合が高いです。
また、これは広告全体における割合であり、優れたクリエイティブをもつデジタル広告の場合、クリエイティブの売上貢献度は89%にものぼる調査結果が出ています。
もちろんリーチ数やブランド力なども重要にはなりますが、デジタルメディアであるYouTube広告においてもクリエイティブが最も売上を左右する要素と言っても過言ではありません。
3. 成果につながるYouTube広告クリエイティブのコツ
では、実際に優れたYouTube広告のクリエイティブを作るために、具体的なコツ3つをご紹介します。
Googleが推奨する「ABCDフレームワーク」をご存知ですか?YouTube広告のクリエイティブはまずABCDフレームワークに沿って制作することを、お勧めしています。
さらに、良いクリエイティブにするためにももう2つコツをお伝えします。
3.1. Google推奨のABCDフレームワーク
3.1.1. 引きつける|最初の5秒で引きを作る
YouTube広告は開始から5秒後にスキップできてしまうものもあります。つまり、最初の5秒で引きつけておかないと、最後まで動画を見てもらえる可能性が低くなります。特に若年層に広告は敬遠される傾向が年々強まっているため、冒頭部分でメインメッセージや注目を引くようなクリエイティブの工夫が求められます。
例えば、「◯◯の方、必見!」と視聴者に「私のことかも?」と思わせて(自分ゴト化)引きを作ったり、ストーリー性のある形で「続きが気になる」と思わせてスキップをさせないようにするなどの方法があります。
3.1.2. 認知させる|ブランドアイデンティティを強調する
冒頭で引きつけつつも、広告としてブランドの認知をさせることも大変重要な項目です。広告の中で「なんのブランドなのか」「なんのサービスなのか」が広告の早い段階でわかるようにしましょう。認知度がまだ低いブランドの場合は、まずは名前だけでも覚えてもらう必要がありますし、既に知名度はあるブランドであればそのブランドらしさを表現することも必要になってきます。
自社のブランドが、市場においてどのフェーズなのかをしっかり見極めた上で広告内容は工夫していきましょう。
細かい工夫としては、ロゴは常時表示させておいたりすることも有効です。
3.1.3. つなげる|視聴者が関心のあるコンテンツにする
最初の5秒でグッと掴んだら、視聴者(ユーザー)が関心のあるコンテンツを配信し彼らのエンゲージメントを高めることが重要です。
特に視聴者の感情を動かすような工夫が必要で、例えば緩急のあるコマ割りにしたり、サウンドを使って注目を引くこともおすすめです。広告における動画はゆっくりで単調なものより、素早いコマ割りの方が視聴者を引きつけるクリエイティブになりやすいです。
3.1.4. 誘導する|行動を促す動線を作る
最後に、狙ったアクションを起こさせるための工夫をしていきましょう。購入を促すのか、チャンネル登録をさせるのか、などによって動線は異なります。今購入・利用・登録をするとどんな「お得なこと」があるのか「今じゃないといけない」理由付けなどもしてアクションを起こさせる動機を作っていきましょう。
「広告を見た人限定」や「今なら◯◯%お得」など広告を見た人に「お得感」を感じさせることで、単に広告を見てもらって終わりではなく、最終的なアクションまで誘導させる可能性を高めます。
また、動画の中でCTAの訴求を忘れないようにしましょう。
3.2. YouTuberを活用したクリエイティブで広告感を軽減
Googleが推奨している、ABCDフレームワークを踏まえつつYouTuberを起用したクリエイティブを活用することも検討してみましょう。例えば、YouTuberとタイアップで配信した動画のうち、反応の良かったものを広告クリエイティブとして再編集し広告配信するという手法もあります。
この方法のメリットは、YouTuberによる広告動画になるため、「広告感」を軽減することができます。つまり視聴者は普段観ているYouTube動画と遜色ない内容で動画を観るためスキップされたり、敬遠される可能性が低くなると言えるでしょう。
実際にエビリーで支援したオハヨー乳業様の「ブリュレ」のYouTuberタイアップでは、タイアップ素材を広告として再編集し配信したことで、リーチを最大化して認知度アップにつなげることができました。
上記事例の詳細は下記の記事からご覧になってください。
3.3. 比較検証してより良いクリエイティブを選ぶ
また、広告配信ではABテストをしながら最適なクリエイティブを選んでいくことも大切です。
例えば、エビリーが支援した某ドラッグストアの事例では、ABCDフレームワークに沿ったクリエイティブを2種類作成し、ABテストを実施しました。パターンAでは、某大手衣料品チェーン店の企業チャンネルで人気だった広告動画を参考に、パターンBでは、某大手ドラッグストアの企業チャンネルで人気だった広告動画を参考に作成しました。このように参考になりそうな他社の広告動画の要素を活用することもコツの一つです。
結果としてパターンAの方が良かったので、Aの広告配分を増やしたところキャンペーン全体の視聴単価が大幅に下がるという効果をもたらしました。
他の事例も含め、「初心者でもわかる!YouTube広告運用の最適解を徹底解説」にて解説しているので、詳細を知りたい方は下記の記事も読んでみてください。
4. YouTube広告の適切な条件設定について
優れたクリエイティブを作っても、適切なターゲットに届かないと意味がありません。狙ったターゲットに見てもらえるように、YouTube広告の条件設定も最適化していく必要があります。
YouTube広告で設定できる条件は大きく下記の通りです。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
簡単に言えば、人で絞り込むものと、掲載場所を絞り込む(選ぶ)ものになります。オーディエンスターゲティングで絞り込めるものは主に8項目で、
- ユーザー属性(年齢・性別など)
- アフィニティカテゴリ(興味関心・習慣)
- カスタム・アフィニティ・カテゴリ
- ライフイベント
- 購買意欲の高いオーディエンス
- カスタム・インテント・オーディエンス
- リマーケティング
- 地域
になります。
どの広告を使うかによっても、どの項目を絞り込むかは異なってきます。これまでのエビリーの実績で共通している成功パターンを、適切な条件設定としてご紹介します。
4.1. インストリーム広告|オーディエンスターゲティングで認知拡大
インストリーム広告はスキップはできるものの、最初の5秒は必ず広告を視聴することになるため、認知拡大に有効であると言えます。また、スキップされると課金されることはないので、費用対効果も高く配信ができます。
これらの特徴を生かすと、インストリーム広告では幅広めにオーディエンスターゲティングを設定して「認知拡大目的」で実施すると良いでしょう。
例えば、YouTubeを視聴する幅広いデモグラ層「25-44歳女性」、「沖縄・北海道を除く地域に住む」視聴者に向けて配信の設定にする、もしくは男女の指定もなく「年齢のみ」で絞る方法も良いです。
4.2. インフィード広告|コンテンツターゲティングでCVまで誘導
インフィード広告はクリックされない限り課金されないため、表示させるだけでも認知拡大という意味での訴求効果はあります。特徴的なのは、インストリーム広告よりも関心の高い視聴者に視聴される傾向があるので、動画そのものの視聴時間を伸ばすことができます。
これらの特徴を生かすと、インフィード広告はコンテンツターゲティングによって、「CVまで誘導させる目的」で実施すると良いでしょう。
例えば、「25-60歳男女のターゲット層が視聴する関連のYouTubeチャンネル」に配信するというコンテンツターゲティングを実施する、もしくは「特定のYouTubeチャンネルの視聴者」とデモグラ層の近いチャンネルの視聴者に配信されるように設定するなどがあります。
動画と相性の良い層へアプローチできるので、リーチ数は少なくなりますがCVを狙うにはおすすめの広告です。
このようにして目的によって活用する広告を選び、適切な条件設定をしていくことでより効果のある広告配信ができるようになります。
5. まとめ|YouTube広告で成果を上げるにはクリエイティブと設定を工夫せよ
いかがでしたでしょうか?YouTube広告は、さまざまな種類があり、設定も自由自在にできます。最近はVAC広告(動画アクションキャンペーン)というコンバージョン獲得に特化したタイプの広告も注目されています。
今や広告はデバイスを見ても街中でもどこに居てもたくさん溢れており、特に若年層には敬遠されがちなものとされることもあります。しかし、YouTube広告を表示させない「YouTube Premium」を利用している人はいまだ若年視聴者の場合では1〜2割程度(※)です。つまり、8〜9割の若年層視聴者に対しては、まだまだ工夫次第で広告を見てもらうこと、アクションを起こしてもらうことができるのです。
YouTube広告で成果をあげるには、目的に応じた広告タイプを選択し、それに合った条件設定をしていくこと、さらにはクリエイティブの工夫が最重要です。
嫌われない広告を作るためには、ABCDフレームワークに忠実に、そしてクリエイティブの比較検証をして最適なクリエイティブにブラッシュアップさせていくことが大切です。
今回の記事を読んで、事業成長、企業成長、売上向上のために最適なYouTube広告運用ができるようになる一助になれば嬉しいです。
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